動脈血液ガス分析器とは? 使い方と対象者について呼吸器内科が解説!

今回は、当クリニックで導入している「動脈血液ガス分析器」について、その目的や使い方、そして対象となる方について詳しく解説いたします。

動脈血液ガス分析器の目的とは?

Q1: 動脈血液ガス分析器とはどのような目的で使用する機械なのですか?

A: 解説

動脈血液ガス分析器は、血液中の酸素と二酸化炭素の濃度を測定する機械です。簡単に言えば、体内の酸素供給状況や二酸化炭素の排出状況を把握するために使用します。この情報は、患者様の呼吸状態を評価する上で非常に重要です。

動脈血液ガス分析器が必要な方

Q2: どのような方が検査対象となりますか?

A: 解説

検査の対象となるのは、主に息切れや呼吸困難を感じている方々です。簡易な検査としては、指先で測るサチレーションモニターがありますが、これでは正確な酸素濃度はわかりません。動脈血液ガス分析は、実際の血液サンプルを用いて、酸素と二酸化炭素の濃度を正確に測定するため、より詳細な情報を得ることができます。

血液ガス分析の手順

Q3: 血液ガス分析器を使った検査はどのように行いますか?

A: 解説

検査は患者様のご自宅で行うことも可能です。直接訪問し、大腿部や鼠径部の動脈から約1CCの血液を採取します。この血液サンプルを分析器にかけることで、その場で酸素と二酸化炭素の実測値を確認することができます。採血自体は短時間で済むため、患者様の負担も少なく済みます。

採血の痛みと安全性

Q4: 採血は痛くないですか?安全ですか?

A: 解説

採血は、できるだけ痛みが少ない場所を選んで行います。通常は安静に臥位が取れる位置で、合併症のリスクが低い箇所から採血します。呼吸器学会のガイドラインに従って行うため、安全性は高いです。多少のチクリとした痛みはありますが、多くの患者様が月に一度程度の検査であり、「もう嫌だ」と言われたことはありません。

また、特に女性患者様の場合は、配慮が必要です。私は男性医師ですので、説明をしっかり行った上で、女性看護師に同席してもらうなど、安心して検査を受けていただけるよう努めています。


以上が、動脈血液ガス分析器についての解説です。呼吸状態に不安を感じる方は、ぜひご相談ください。私たちが全力でサポートいたします。

参考URL:「動脈血液ガス分析器って何?」 使い方と対象者について呼吸器内科の先生が解説!